Traveling Painter Mina's Adventurous Life
丸の内カフェで"PORTUGAL~ARTE E POESIA”開催中!
2011年1月26日(水)に、丸の内カフェ(千代田区丸の内3-3-1 新東京ビルジング1F)で旅と英会話スキルのセミナー”「私だけの旅」をつくる簡単英会話”の講師を勤めさせていただきました♪受講者の皆さんが、ノリノリで発音練習を一緒にやってくださったので、嬉しかったです。
http://www.marunouchicafe.com/seminar/index.html#20110126
2010年6月1日(火)~14日(月)に丸の内カフェにて、ポルトガルで描いてきた水彩画風景を展示。おかげさまで沢山の方にご来場・ご鑑賞頂きました。ありがとうございます♪
(日本ポルトガル通商修好条約締結150周年記念イベントです↓)
http://www.marunouchicafe.com/gallery/index.html#20106130
http://www.marunouchicafe.com/seminar/index.html#20110126
2010年6月1日(火)~14日(月)に丸の内カフェにて、ポルトガルで描いてきた水彩画風景を展示。おかげさまで沢山の方にご来場・ご鑑賞頂きました。ありがとうございます♪
(日本ポルトガル通商修好条約締結150周年記念イベントです↓)
http://www.marunouchicafe.com/gallery/index.html#20106130
November 5, 2018
October 1, 2013
Venezia 2013: Giorno 6 & 7 (番外編)--恋の魔法よ、とけないで!(最終回)
日本に戻る時間が刻一刻と近づく中、ベニスそしてリッカルドとのお別れの時も近づいています。もう一度彼の笑顔を見たいけど、会えば別れはもっと辛くなってしまう。だから、リッカルドとの素敵すぎる思い出をそのままに、綺麗な箱にそっとしまっておきたい。ベニスの恋の魔法がとけてしまう前に、美しい記憶のまま胸の奥に閉じ込めて日本に帰りたい・・・。
「明日日本に戻るなら、その前に会いたい。今から夕方まで一緒にいられるし、夜だって店に来てくれれば、またその後も一緒にいられる。朝まで一緒にいよう。空港までは僕が送って行くから」
リッカルドの言葉に、もう会わないと決めていたはずの心がグラグラと揺り動かされます。
でも、最終日の「To Do List」の最優先項目には、この旅に出る前から決めていたことがありました。それは、カナルの対岸で夕陽を受けて輝く聖サルーテ教会の絵を描くこと。今回の旅の目的は、11年前に果たせなかったブラーノ島でのスケッチと、グランドカナル越しの夕暮れ風景描くことだったからです。
「あのね、リッカルド。今日は夕方に、どうしてもやらなくてはならないことがあるの。それはずっと前から決めていたことで、とても大切な用事なの。だから、今夜はお店にはいけない」
「じゃあせめて、その前に会おう。もうすぐ昼休みだから、会って話したい」
北イタリア随一の「粘り腰の軟派」(MINA総研調査)で知られるベネチア男の押しの強さには抗えません。このままでは話が堂々巡りするばかりなので、とりあえずいったん買い物した荷物を置くためにホテルに戻るから、また外に出る時に連絡すると伝えて電話を切りました。
部屋に戻り、買い物した荷物をトランクに収めながら、切なさで胸が張り裂けそうになりました。リッカルドの気持ちはありがたいし、私だって本当はもう一度会いたい・・・。
高ぶる気持ちをクールダウンさせようと顔を洗い、今度は画材を持ってホテルの部屋を出ました。
「今、この瞬間は辛いけど、もう一度会ったら、明日から彼に会えないことがもっと辛くなる。だからもう、リッカルドには会わない。電話にも出ない」
そう決めて、最後に描く夕日の絵の前にもう1枚、この美しい古都の絵をスケッチブックに収めようと、お絵描きポイントを探しに歩き出しました。
日常とは異なる世界での「偶然の出会い」は、目の前に広がる景色を何倍か美しく、特別なものに見せる「魔法」をかけるのでしょう。それだけに、旅の絵描きが出会った恋は、ロマンティックに燃え上がり・・・。
でもこの恋は消して成就することはないのです。だって魔法はいつかとけてしまうから。甘くて切ない想い出を心の奥にしまって、旅の絵描きは新しいスケッチブックと共に次の旅に向かうのです。
「これじゃ私、まるで『お絵描き寅さん』・・・だな」。
ふと思いついた面白フレーズに我ながらクスっとして、画材の入ったバッグを肩にかけ直しました。バッグの中で携帯がブルっと震えたような気がしましたが、そのまま石畳に歩を進めます。まだ高い太陽を映したカナルの水面が、キラキラ光って時折視界を遮ります。人込みをかき分けながらヴァポレットの停留所ひとつ分を歩き、フェニーチェ劇場に抜ける小路につながる橋を渡りかけた時でした。
「MINA!!」
右手前方から私の名前を呼ぶ声が聞こえ、そちらに顔を向けようとした時に、温かい指先が右の頬に触れました。
「捕まえた!」
びっくりして顔を上げると、目の前にリッカルドの笑顔がありました。
「どうして・・・?」
リッカルドは私の右手を取ると、甲に軽くキスしました。
「そんな顔して・・・Princessはご機嫌斜めなのかな?電話しても出ないから、探しに来ちゃったよ」
そのまま橋の上でぎゅっとハグ&キスされて・・・もはや観念するしかありませんでした。もう会わないはずだったのに、もしかしてこれもまた「ベニスの恋の魔法」の仕業なのかもしれません。
手をつないで広場を突っ切ると、そのままドルソドゥーロへつながる大きな橋を渡りました。彼のお店のある方には向かわず、昨夜とは反対側の小径をゆっくりと歩き、木陰のベンチをみつけて腰掛けました。
「MINAに嫌われたのかと思った」
「違うの。東京に帰る前にあなたともう一度会ったら、お別れできなくなりそうで辛かったんだもの」
「でも、会いたかった・・・そして、やっぱり会えた!」
リッカルドの声は低くて優しく、つないだ彼の大きな手は温かく・・・。
カナルの水面を渡って来た風に吹かれながら、昨夜の話の続きをしました。家族のこと、仕事のこと、夢のこと・・・。会話が途絶えると互いの瞳をじっと見つめ合い、つないだ手をぎゅっと握り直しました。リッカルドの口が軽く開いて何かを言おうとした時、彼の携帯が鳴り出しました。グループ客が来て急に忙しくなったことを知らせる、お店からの電話でした。
「ごめん、戻らないと・・・」
「いいよ。一緒に行きましょう。その代わり、ビールを1杯ご馳走して。ビールを飲みながらお店のテラス席から眺めるカナルの絵を描きたいの。いいでしょ?」
「仰せのままに、Princess」
テラス席に陣取り、ビールを飲みながら、彼のお店から見えるカナル風景をスケッチしました。忙しく接客するリッカルドの視線や気配を間近に感じながら、小一時間で1枚仕上げました。思いがけない形で素敵なお別れができたような気がして、胸の奥につかえていたものがスーッと小さくなっていくのが分かりました。
「ねぇ、リッカルド、もうひとつだけお願いがあるんだけど・・・」
彼のお店の前で描いたスケッチを手にした私と、実際のカナル風景を一緒に収めた写真を撮ってもらいました。彼の目を通して見た私の記憶を、自分のスマホのカメラにも収めておきたかったからです。
「夕日の絵を描き終えたらまた、ここに戻ってくる?」
彼の問いには直接答えず、「Io vado. (行ってきます)」と言ってテラス席を離れました。ヴァポレットの乗り場に向かう橋を渡る手前で一度だけ振り返ると、私を見送っていたリッカルドは夕陽を受けてまぶしそうに目を細め、そして投げキスをくれました。「MINA、あとで電話する!」
ヴァポレットに乗って対岸のサンマルコ広場に渡り、夕陽の方角に向かって歩きました。オレンジ色の光りを浴びて輝くグランドカナルや大聖堂のクーポラの形を目に焼き付けながら、ホテルに戻り、そのままグランドカナルに面したバーの特等席に陣取りました。夕陽と同じ色をしたベリーニを注文すると、急ぎ足の夕陽に置いていかれないように、一気にペンでアウトラインを描き上げました。
水彩絵の具での色つけが始まった頃、ずっと私の事を気にしている様子だった男の子(お父さんとはイタリア語で話していました)とお父さんが私の横にやってきて、絵を近くで見せて欲しいと話しかけてきました。まだ途中ですがどうぞ、とスケッチブックを差し出すと、男の子が「Very nice!」と覚えたての英語で褒めてくれました。実はずっと二人が「お姉さんに英語で話しかけてみよう」と練習していたのが聞こえていたのが微笑ましくて・・・何だかとても幸せな気分になり、思わず笑顔になりました。
夕陽が沈みきる少し前に絵は完成し、ホテルの従業員の方も代わる代わる見に来ては感嘆の声を挙げて褒めてくれました。ちょうど良い具合のお腹も空いてきたので、そのまま特等席をディナーモードに切り替えてもらって、絵に描いた風景が闇に溶けていく様子を見ながら軽く夕飯を取って部屋に戻りました。
部屋で荷造りをしていると、日付が変わる頃にまた携帯がブルっと鳴りました。リッカルドからのメールでした。
「仕事が終わったら君の部屋に行こうと思っていたのに、従業員が熱を出して倒れてしまって、ベニス郊外の家まで車で送ることになった。本当にごめん。でも明日の朝は必ず迎えに行くから」
もはや「ベニスの魔法」もここまでか・・・?でも不思議と、喪失感や寂しさはありませんでした。思い出の風景をスケッチブックに収めて、思いがけず素敵なお別れが出来たつもりでいた私はとっくに、自力で空港まで戻る心づもりが出来ていたからです。
ところが・・・リッカルドは私との約束を気にしてくれていました。果たして、翌朝うーんと早くにリッカルドはホテルにやって来ました。
「本当に空港まで送ってくれるの?」
「もちろん」
サンマルコ広場駅から鉄道駅方面に向かうヴァポレットに乗り込みました。大きなトランクもリッカルドが運んでくれるので、私は楽チンです。
「Grazie! リッカルド、本当に助かるわ」
「Prego, MINA。でも何だか妙な気分だよ。だってこうやって君を迎えに来たのは、君を旅立たせるためなんだから・・・」
ゆったりとグランドカナルを往くヴァポレットに揺られながら、大好きな景色とリッカルドの笑顔を眺めていました。このまま時間が止まってしまえばいいのに・・・。サンマルコ広場から約30分間かけてサンタ・ルチア鉄道駅から3つ先の大型駐車場施設があるトロンシェットまで行き、そこからはリッカルドの車で空港まで送ってもらいました。トロンシェットから水上を真っ直ぐに走る道路を抜けると、メタリック・ブラックのオペル・アンタラはあっという間に「ごく普通の市街地」に入り、15分ぐらいで空港に到着しました。
「出発まで一緒にいられなくて、ごめん。仕事に行かないと・・・」
リッカルドは車からトランクを降ろすと、ギュッと抱きしめてくれました。チェックイン・カウンターの前にはもう長い行列ができています。私もすぐに列についた方が良さそうです。
「次はいつベニスに来る?また会えるよね」
「分からない。年末かもしれないし、来年かもしれないし・・・10年後かもしれない。でもきっとまたここに戻ってくるような気がする」
空港ロビーの滑らかなフロアの上でトランクを押して歩いていると、前日にベニスの石畳を歩いていた時に抱えていた胸の奥の痛みや重さが嘘のように軽くなっているのに気付きました。
もしかして、魔法にかかっていた間の全てが夢の中の出来事だったような気がして、慌ててバッグからスケッチブックを取り出して開いてみると・・・そこにはちゃんとこの数日間のベニスの思い出がしっかりと収められていました。夢のようだったけれど、夢ではなかったのです。
・・・リッカルド、本当に素敵な思い出をありがとう。ベニスの恋の魔法のおかげで、一生忘れられない旅になったよ。
(終わり)
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
【お絵描き寅さん(!?) 「ベニスの恋」の巻、バックナンバーはこちら】
<第1話>ベニス4日目: 「恋の予感」(英語編の後ろに日本語があります)
<第2話>ベニス5日目: 「ロマンチックな夜」
<第3話>ベニス6日目: 「もう一度、会いたい」
「明日日本に戻るなら、その前に会いたい。今から夕方まで一緒にいられるし、夜だって店に来てくれれば、またその後も一緒にいられる。朝まで一緒にいよう。空港までは僕が送って行くから」
リッカルドの言葉に、もう会わないと決めていたはずの心がグラグラと揺り動かされます。
でも、最終日の「To Do List」の最優先項目には、この旅に出る前から決めていたことがありました。それは、カナルの対岸で夕陽を受けて輝く聖サルーテ教会の絵を描くこと。今回の旅の目的は、11年前に果たせなかったブラーノ島でのスケッチと、グランドカナル越しの夕暮れ風景描くことだったからです。
「あのね、リッカルド。今日は夕方に、どうしてもやらなくてはならないことがあるの。それはずっと前から決めていたことで、とても大切な用事なの。だから、今夜はお店にはいけない」
「じゃあせめて、その前に会おう。もうすぐ昼休みだから、会って話したい」
北イタリア随一の「粘り腰の軟派」(MINA総研調査)で知られるベネチア男の押しの強さには抗えません。このままでは話が堂々巡りするばかりなので、とりあえずいったん買い物した荷物を置くためにホテルに戻るから、また外に出る時に連絡すると伝えて電話を切りました。
部屋に戻り、買い物した荷物をトランクに収めながら、切なさで胸が張り裂けそうになりました。リッカルドの気持ちはありがたいし、私だって本当はもう一度会いたい・・・。
高ぶる気持ちをクールダウンさせようと顔を洗い、今度は画材を持ってホテルの部屋を出ました。
「今、この瞬間は辛いけど、もう一度会ったら、明日から彼に会えないことがもっと辛くなる。だからもう、リッカルドには会わない。電話にも出ない」
そう決めて、最後に描く夕日の絵の前にもう1枚、この美しい古都の絵をスケッチブックに収めようと、お絵描きポイントを探しに歩き出しました。
日常とは異なる世界での「偶然の出会い」は、目の前に広がる景色を何倍か美しく、特別なものに見せる「魔法」をかけるのでしょう。それだけに、旅の絵描きが出会った恋は、ロマンティックに燃え上がり・・・。
でもこの恋は消して成就することはないのです。だって魔法はいつかとけてしまうから。甘くて切ない想い出を心の奥にしまって、旅の絵描きは新しいスケッチブックと共に次の旅に向かうのです。
「これじゃ私、まるで『お絵描き寅さん』・・・だな」。
ふと思いついた面白フレーズに我ながらクスっとして、画材の入ったバッグを肩にかけ直しました。バッグの中で携帯がブルっと震えたような気がしましたが、そのまま石畳に歩を進めます。まだ高い太陽を映したカナルの水面が、キラキラ光って時折視界を遮ります。人込みをかき分けながらヴァポレットの停留所ひとつ分を歩き、フェニーチェ劇場に抜ける小路につながる橋を渡りかけた時でした。
右手前方から私の名前を呼ぶ声が聞こえ、そちらに顔を向けようとした時に、温かい指先が右の頬に触れました。
「捕まえた!」
びっくりして顔を上げると、目の前にリッカルドの笑顔がありました。
「どうして・・・?」
リッカルドは私の右手を取ると、甲に軽くキスしました。
「そんな顔して・・・Princessはご機嫌斜めなのかな?電話しても出ないから、探しに来ちゃったよ」
そのまま橋の上でぎゅっとハグ&キスされて・・・もはや観念するしかありませんでした。もう会わないはずだったのに、もしかしてこれもまた「ベニスの恋の魔法」の仕業なのかもしれません。
手をつないで広場を突っ切ると、そのままドルソドゥーロへつながる大きな橋を渡りました。彼のお店のある方には向かわず、昨夜とは反対側の小径をゆっくりと歩き、木陰のベンチをみつけて腰掛けました。
「MINAに嫌われたのかと思った」
「違うの。東京に帰る前にあなたともう一度会ったら、お別れできなくなりそうで辛かったんだもの」
「でも、会いたかった・・・そして、やっぱり会えた!」
リッカルドの声は低くて優しく、つないだ彼の大きな手は温かく・・・。
カナルの水面を渡って来た風に吹かれながら、昨夜の話の続きをしました。家族のこと、仕事のこと、夢のこと・・・。会話が途絶えると互いの瞳をじっと見つめ合い、つないだ手をぎゅっと握り直しました。リッカルドの口が軽く開いて何かを言おうとした時、彼の携帯が鳴り出しました。グループ客が来て急に忙しくなったことを知らせる、お店からの電話でした。
「ごめん、戻らないと・・・」
「いいよ。一緒に行きましょう。その代わり、ビールを1杯ご馳走して。ビールを飲みながらお店のテラス席から眺めるカナルの絵を描きたいの。いいでしょ?」
「仰せのままに、Princess」
テラス席に陣取り、ビールを飲みながら、彼のお店から見えるカナル風景をスケッチしました。忙しく接客するリッカルドの視線や気配を間近に感じながら、小一時間で1枚仕上げました。思いがけない形で素敵なお別れができたような気がして、胸の奥につかえていたものがスーッと小さくなっていくのが分かりました。
「ねぇ、リッカルド、もうひとつだけお願いがあるんだけど・・・」
彼のお店の前で描いたスケッチを手にした私と、実際のカナル風景を一緒に収めた写真を撮ってもらいました。彼の目を通して見た私の記憶を、自分のスマホのカメラにも収めておきたかったからです。
「夕日の絵を描き終えたらまた、ここに戻ってくる?」
彼の問いには直接答えず、「Io vado. (行ってきます)」と言ってテラス席を離れました。ヴァポレットの乗り場に向かう橋を渡る手前で一度だけ振り返ると、私を見送っていたリッカルドは夕陽を受けてまぶしそうに目を細め、そして投げキスをくれました。「MINA、あとで電話する!」
ヴァポレットに乗って対岸のサンマルコ広場に渡り、夕陽の方角に向かって歩きました。オレンジ色の光りを浴びて輝くグランドカナルや大聖堂のクーポラの形を目に焼き付けながら、ホテルに戻り、そのままグランドカナルに面したバーの特等席に陣取りました。夕陽と同じ色をしたベリーニを注文すると、急ぎ足の夕陽に置いていかれないように、一気にペンでアウトラインを描き上げました。
水彩絵の具での色つけが始まった頃、ずっと私の事を気にしている様子だった男の子(お父さんとはイタリア語で話していました)とお父さんが私の横にやってきて、絵を近くで見せて欲しいと話しかけてきました。まだ途中ですがどうぞ、とスケッチブックを差し出すと、男の子が「Very nice!」と覚えたての英語で褒めてくれました。実はずっと二人が「お姉さんに英語で話しかけてみよう」と練習していたのが聞こえていたのが微笑ましくて・・・何だかとても幸せな気分になり、思わず笑顔になりました。
夕陽が沈みきる少し前に絵は完成し、ホテルの従業員の方も代わる代わる見に来ては感嘆の声を挙げて褒めてくれました。ちょうど良い具合のお腹も空いてきたので、そのまま特等席をディナーモードに切り替えてもらって、絵に描いた風景が闇に溶けていく様子を見ながら軽く夕飯を取って部屋に戻りました。
部屋で荷造りをしていると、日付が変わる頃にまた携帯がブルっと鳴りました。リッカルドからのメールでした。
「仕事が終わったら君の部屋に行こうと思っていたのに、従業員が熱を出して倒れてしまって、ベニス郊外の家まで車で送ることになった。本当にごめん。でも明日の朝は必ず迎えに行くから」
もはや「ベニスの魔法」もここまでか・・・?でも不思議と、喪失感や寂しさはありませんでした。思い出の風景をスケッチブックに収めて、思いがけず素敵なお別れが出来たつもりでいた私はとっくに、自力で空港まで戻る心づもりが出来ていたからです。
ところが・・・リッカルドは私との約束を気にしてくれていました。果たして、翌朝うーんと早くにリッカルドはホテルにやって来ました。
「本当に空港まで送ってくれるの?」
「もちろん」
サンマルコ広場駅から鉄道駅方面に向かうヴァポレットに乗り込みました。大きなトランクもリッカルドが運んでくれるので、私は楽チンです。
「Grazie! リッカルド、本当に助かるわ」
「Prego, MINA。でも何だか妙な気分だよ。だってこうやって君を迎えに来たのは、君を旅立たせるためなんだから・・・」
ゆったりとグランドカナルを往くヴァポレットに揺られながら、大好きな景色とリッカルドの笑顔を眺めていました。このまま時間が止まってしまえばいいのに・・・。サンマルコ広場から約30分間かけてサンタ・ルチア鉄道駅から3つ先の大型駐車場施設があるトロンシェットまで行き、そこからはリッカルドの車で空港まで送ってもらいました。トロンシェットから水上を真っ直ぐに走る道路を抜けると、メタリック・ブラックのオペル・アンタラはあっという間に「ごく普通の市街地」に入り、15分ぐらいで空港に到着しました。
「出発まで一緒にいられなくて、ごめん。仕事に行かないと・・・」
リッカルドは車からトランクを降ろすと、ギュッと抱きしめてくれました。チェックイン・カウンターの前にはもう長い行列ができています。私もすぐに列についた方が良さそうです。
「次はいつベニスに来る?また会えるよね」
「分からない。年末かもしれないし、来年かもしれないし・・・10年後かもしれない。でもきっとまたここに戻ってくるような気がする」
空港ロビーの滑らかなフロアの上でトランクを押して歩いていると、前日にベニスの石畳を歩いていた時に抱えていた胸の奥の痛みや重さが嘘のように軽くなっているのに気付きました。
もしかして、魔法にかかっていた間の全てが夢の中の出来事だったような気がして、慌ててバッグからスケッチブックを取り出して開いてみると・・・そこにはちゃんとこの数日間のベニスの思い出がしっかりと収められていました。夢のようだったけれど、夢ではなかったのです。
・・・リッカルド、本当に素敵な思い出をありがとう。ベニスの恋の魔法のおかげで、一生忘れられない旅になったよ。
(終わり)
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
【お絵描き寅さん(!?) 「ベニスの恋」の巻、バックナンバーはこちら】
<第1話>ベニス4日目: 「恋の予感」(英語編の後ろに日本語があります)
<第2話>ベニス5日目: 「ロマンチックな夜」
<第3話>ベニス6日目: 「もう一度、会いたい」
September 22, 2013
Venezia 2013: Giorno 6 (番外編)--ベニスの恋の魔法 「もう一度会いたい」~の巻
<前回までのお話>
11年ぶりに訪れたベニスの旅も後半にさしかかった頃、MINAは偶然立ち寄ったドルソドゥーロ地区のカフェ・レストランで、ハンサムな店員さん(=実は、オーナーさんだった)と知り合い、意気投合。スケッチの合間のひと休みだけのつもりが夕飯までそこで過ごし、お店を出た後や翌日も続く彼の猛烈なプッシュにクラクラしたMINAは結局、彼の店に2日連続で通うことに。2日目に店を訪れた食後、仕事が終わった彼とともに店を出て夜のベニスをお散歩し、ロマンティックな夜を過ごしたが・・・。
(比較的「真面目に」書いている6日目の旅ブログ=英語版=はこちら「Veneniz 2013: Giorno 6,7」 )
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
ロマンティックな夜が明けて、まだ何となく夢見心地のまま、朝イチで再びサンマルコ広場に向かいました。明日の昼の便でベニスを発つので、きょうが「ベニスでの最後の1日」になるわけで、家族や友人へのお土産を買ったり、実はまだ内部には入ったことのないサンマルコ寺院見物など、「To Do List」には、沢山の課題が残っています。
そしてその「To Do List」の欄外には、昨夜素敵な時間を過ごしたリッカルドのことも・・・。
まるで自分がドラマの主人公になったような、出来すぎぐらいにロマンティックな出来事をぼんやり反芻している間にも、「現実の世界」へと戻る時間は刻一刻と迫っているのです。「ベニスの魔法」がとけてしまうことが怖くて、悲しくて・・・昨夜の出来事を思い出すたびに胸の奥がズキンと痛み、そして少しずつ重くなっていくのでした。
そんな重みに耐えかねて、とりあえずは「To Do List」をこなそうと、サンマルコ広場に向かいました。圧倒的な大きさと黄金に輝くサンマルコ寺院の聖堂内を巡り、バルコニーに出て息をのむ広場の眺めを前に、思わずため息がこぼれました。
「なんだか、今自分がここにいるのが夢みたい。そして、あの甘い時間もやはり、夢だったのかもしれない・・・」
昨夜リッカルドは、たくさん自分の事を話してくれました。大学では演劇を専攻していたこと。役者ではなく、舞台製作を目指していたけれど、結局その道には進まず、友人から誘われてレストラン・ビジネスに入ったこと・・・。バーマン・スクールに入って、ソムリエの資格も取って・・・10年間必死に働いて、ついに自分の店を手に入れたこと。 そのお店がようやく軌道に乗ったので、故郷から両親を呼び寄せて、彼らのために部屋を借りたこと・・・。
ひとつひとつ夢を手に入れた彼の生活の全ては今、ここベニスにあります。彼は故郷の街とベニスでの生活しか知らないけれど、おそらくこのまま生涯この地を離れることはないのでしょう。
方や私は旅の絵描き。ベニスは絵になる素晴らしい街ですが、私にはまだまだ他にも沢山見たい景色、描きたい街があるのです。リッカルドと私の人生のベクトルは、偶然重なった今この瞬間を除いては、まったく違う方向に向かっているのは明らかです。いいえ、むしろ私たち二人のベクトルが、一瞬でも重なり、互いの心が共振したこと自体が奇跡であり、それこそが「ベニスの魔法」のなせる技なのです。
サンマルコ寺院を出て、近くのアクセサリーショップに入ると、スマホがブルっと震えました。リッカルドからのテキストメールです。
「今、どこにいる?」
胸の奥がまたズキンと痛みました。画面をみつめたまま返信できずにいると、すぐにまたスマホがブルっと震えて着信を伝えます。
「会いたい。ランチが終われば夕方まで時間が空くから、どこかで会えないかな?」
・・・もう一度彼の素敵な笑顔は見たいけれど、彼に会ったところで、私が明日の便で日本に戻るという現実は変わらないことがつらくて、また胸の奥がズキンとしました。何を返信して良いか分からず、そのままそっとスマホをバッグにしまって買い物を続けていると、今度は携帯が鳴り出しました。
「Ciao, Mina! How are you, my Princess? 今、どこ?僕のメッセージ、届いてる?」
「・・・今は、サンマルコ広場の近く」
「もうすぐ仕事がひと息つくから、会おう。近くに行くよ」
胸の奥がズキンとして、さらに鼓動も早くなって、うまく言葉になりません。
「あのね、リッカルド。もう・・・会えないの」
「どうして?僕、昨夜何かマズいことしちゃったのかな?僕、ダメだった?僕のこと、嫌いになったの?」
畳みかけてくるリッカルドの声と共に、昨夜彼が話してくれた色々なことが思い出されました。
「違うよ、リッカルド。あなたはとても素敵だった。何もかも、完璧な夜だったよ。だからこそ、素敵な思い出は、そのままにしておきたいの」
「そんなの嫌だ。明日日本に戻るなら、その前に会いたい。今から夕方まで一緒にいられるし、夜だって店に来てくれれば、またその後も一緒にいられる。朝まで一緒にいよう。空港までは僕が送って行くから」
実は最終日の夜の「To Do List」の最優先項目は、この旅に出る前から決めていたのです。それは、カナル越しに夕日を受けた聖サルーテ教会の絵を描くこと。でも、リッカルドの必死さと優しさに、胸の奥の痛みは増し、もう会わないと決めていたはずの心がグラグラと揺れるのでした。
(最終回のつもりが、長くなってしまったので・・・もうちょっと、つづく)
<第1話>ベニス4日目: 「恋の予感」(英語編の後ろに日本語があります)
<第2話>ベニス5日目: 「ロマンチックな夜」
<第4話>ベニス6-7日目: 「恋の魔法よ、とけないで!」(最終回)
11年ぶりに訪れたベニスの旅も後半にさしかかった頃、MINAは偶然立ち寄ったドルソドゥーロ地区のカフェ・レストランで、ハンサムな店員さん(=実は、オーナーさんだった)と知り合い、意気投合。スケッチの合間のひと休みだけのつもりが夕飯までそこで過ごし、お店を出た後や翌日も続く彼の猛烈なプッシュにクラクラしたMINAは結局、彼の店に2日連続で通うことに。2日目に店を訪れた食後、仕事が終わった彼とともに店を出て夜のベニスをお散歩し、ロマンティックな夜を過ごしたが・・・。
(比較的「真面目に」書いている6日目の旅ブログ=英語版=はこちら「Veneniz 2013: Giorno 6,7」 )
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
ロマンティックな夜が明けて、まだ何となく夢見心地のまま、朝イチで再びサンマルコ広場に向かいました。明日の昼の便でベニスを発つので、きょうが「ベニスでの最後の1日」になるわけで、家族や友人へのお土産を買ったり、実はまだ内部には入ったことのないサンマルコ寺院見物など、「To Do List」には、沢山の課題が残っています。
そしてその「To Do List」の欄外には、昨夜素敵な時間を過ごしたリッカルドのことも・・・。
まるで自分がドラマの主人公になったような、出来すぎぐらいにロマンティックな出来事をぼんやり反芻している間にも、「現実の世界」へと戻る時間は刻一刻と迫っているのです。「ベニスの魔法」がとけてしまうことが怖くて、悲しくて・・・昨夜の出来事を思い出すたびに胸の奥がズキンと痛み、そして少しずつ重くなっていくのでした。
そんな重みに耐えかねて、とりあえずは「To Do List」をこなそうと、サンマルコ広場に向かいました。圧倒的な大きさと黄金に輝くサンマルコ寺院の聖堂内を巡り、バルコニーに出て息をのむ広場の眺めを前に、思わずため息がこぼれました。
「なんだか、今自分がここにいるのが夢みたい。そして、あの甘い時間もやはり、夢だったのかもしれない・・・」
昨夜リッカルドは、たくさん自分の事を話してくれました。大学では演劇を専攻していたこと。役者ではなく、舞台製作を目指していたけれど、結局その道には進まず、友人から誘われてレストラン・ビジネスに入ったこと・・・。バーマン・スクールに入って、ソムリエの資格も取って・・・10年間必死に働いて、ついに自分の店を手に入れたこと。 そのお店がようやく軌道に乗ったので、故郷から両親を呼び寄せて、彼らのために部屋を借りたこと・・・。
ひとつひとつ夢を手に入れた彼の生活の全ては今、ここベニスにあります。彼は故郷の街とベニスでの生活しか知らないけれど、おそらくこのまま生涯この地を離れることはないのでしょう。
方や私は旅の絵描き。ベニスは絵になる素晴らしい街ですが、私にはまだまだ他にも沢山見たい景色、描きたい街があるのです。リッカルドと私の人生のベクトルは、偶然重なった今この瞬間を除いては、まったく違う方向に向かっているのは明らかです。いいえ、むしろ私たち二人のベクトルが、一瞬でも重なり、互いの心が共振したこと自体が奇跡であり、それこそが「ベニスの魔法」のなせる技なのです。
サンマルコ寺院を出て、近くのアクセサリーショップに入ると、スマホがブルっと震えました。リッカルドからのテキストメールです。
「今、どこにいる?」
胸の奥がまたズキンと痛みました。画面をみつめたまま返信できずにいると、すぐにまたスマホがブルっと震えて着信を伝えます。
「会いたい。ランチが終われば夕方まで時間が空くから、どこかで会えないかな?」
・・・もう一度彼の素敵な笑顔は見たいけれど、彼に会ったところで、私が明日の便で日本に戻るという現実は変わらないことがつらくて、また胸の奥がズキンとしました。何を返信して良いか分からず、そのままそっとスマホをバッグにしまって買い物を続けていると、今度は携帯が鳴り出しました。
「Ciao, Mina! How are you, my Princess? 今、どこ?僕のメッセージ、届いてる?」
「・・・今は、サンマルコ広場の近く」
「もうすぐ仕事がひと息つくから、会おう。近くに行くよ」
胸の奥がズキンとして、さらに鼓動も早くなって、うまく言葉になりません。
「あのね、リッカルド。もう・・・会えないの」
「どうして?僕、昨夜何かマズいことしちゃったのかな?僕、ダメだった?僕のこと、嫌いになったの?」
畳みかけてくるリッカルドの声と共に、昨夜彼が話してくれた色々なことが思い出されました。
「違うよ、リッカルド。あなたはとても素敵だった。何もかも、完璧な夜だったよ。だからこそ、素敵な思い出は、そのままにしておきたいの」
「そんなの嫌だ。明日日本に戻るなら、その前に会いたい。今から夕方まで一緒にいられるし、夜だって店に来てくれれば、またその後も一緒にいられる。朝まで一緒にいよう。空港までは僕が送って行くから」
実は最終日の夜の「To Do List」の最優先項目は、この旅に出る前から決めていたのです。それは、カナル越しに夕日を受けた聖サルーテ教会の絵を描くこと。でも、リッカルドの必死さと優しさに、胸の奥の痛みは増し、もう会わないと決めていたはずの心がグラグラと揺れるのでした。
(最終回のつもりが、長くなってしまったので・・・もうちょっと、つづく)
<第1話>ベニス4日目: 「恋の予感」(英語編の後ろに日本語があります)
<第2話>ベニス5日目: 「ロマンチックな夜」
<第4話>ベニス6-7日目: 「恋の魔法よ、とけないで!」(最終回)
September 16, 2013
Venezia 2013: Giorno 6, 7 -- Stunning View of Piazza S. Marco & Gorgeous Canal Sunset
In the morning of the actual last day for me to stay the whole day in the old city, I went to see the S. Marco. As the exterior of the beautiful Basilica is under the construction, I gave up painting the facade of Saint Marks this time. Instead, I decided to go inside and to see the view from its balcony.
The inside of the Basilica is really ... huge!, of course, and its stunning golden ceiling, walls and alter were nothing but breathtaking!! It is not hard to imagine how rich and powerful the city of Venice was in the Middle age.
It is free of charge to get inside of the church, however, you need to pay 2 euro each to get closer & go around the golden alter and to go up balcony to see the grand view of Piazza S. Marco.
Why not? I tried both and felt that it's more than worth enough to pay. When I finally got the other side of the golden alter -- decorated with golden glass tiles and gem stones -- I could hardly move for a while. I just stayed there and stared at the shinning alter, probably for 10 minutes or so.
Then finally, I went up to the balcony of the S. Marco to overlook the grand view of the square from there. The view was juuuuuuuuuuuuuuuuust great. Yet I gave up opening my sketch book here again, as the view was too huge to paint. I decided to brand the scene on one's mind, instead. Thank you Venice to let me share this beautiful view!!
In the afternoon, I did some shopping for my friends and family and went back the Dorsoduro district. I stopped by the restaurant I found two days ago to say 'Hi' to the waiters. The owner of the restaurant bought me a glass of beer and I painted a small canal view from the table. How nice of him!
Then I took a vaporetto to cross the grand canal toward the Piazza S. Marco again. As I wanted to paint the last piece here in Venice at the time of sunset, I looked for the best vista point from there. However, I couldn't find any better spot than the sunset view from the hotel bar where I stay. So, I took the best table facing the canal and the Bailica di S. Maria della Salute about 1 hour before the sunset and ordered a glass of Bellini.
While I was panting, a German father and his son came up to me. Actually, I have recognized the German boy who often tried to get a covert glance of my work, but he ran back when I looked at him.
"Excuse me, but can we get a closer look of your watercolor? My son says he is a great fan of your painting, but he is too shy to say so."
"Sure, my pleasure. I haven't finished this piece yet, but please!"
The boy finally came to right next to me and looked at my painting, and he said in English,
"Very nice!"
"Thank you very much!"
I could hear that the boy was practicing this short but beautiful English words with his father before they came up to me. So sweet!
And just before the sunset, I could finish this last piece and started having dinner, the last meal in my favorite city, there, too.
* * * * * * * *
On the following day, I took a vaporetto from the hotel to Tronchetto, where bus terminal & parking buildings are located. As the Dorsoduro restaurant owner gave me a ride from the Tronchetto to the Marco Polo Airport, it took only 15 minutes or 50 minutes in total. (And I could save more than 200 euro this time!! It would cost 5 euro by shuttle bus and about 50 euro by taxi to the airport.)
Grazie, Venice! Arrivederci, Venice!
Tornerò di nuovo qui!!
The inside of the Basilica is really ... huge!, of course, and its stunning golden ceiling, walls and alter were nothing but breathtaking!! It is not hard to imagine how rich and powerful the city of Venice was in the Middle age.
It is free of charge to get inside of the church, however, you need to pay 2 euro each to get closer & go around the golden alter and to go up balcony to see the grand view of Piazza S. Marco.
Why not? I tried both and felt that it's more than worth enough to pay. When I finally got the other side of the golden alter -- decorated with golden glass tiles and gem stones -- I could hardly move for a while. I just stayed there and stared at the shinning alter, probably for 10 minutes or so.
Then finally, I went up to the balcony of the S. Marco to overlook the grand view of the square from there. The view was juuuuuuuuuuuuuuuuust great. Yet I gave up opening my sketch book here again, as the view was too huge to paint. I decided to brand the scene on one's mind, instead. Thank you Venice to let me share this beautiful view!!
In the afternoon, I did some shopping for my friends and family and went back the Dorsoduro district. I stopped by the restaurant I found two days ago to say 'Hi' to the waiters. The owner of the restaurant bought me a glass of beer and I painted a small canal view from the table. How nice of him!
Then I took a vaporetto to cross the grand canal toward the Piazza S. Marco again. As I wanted to paint the last piece here in Venice at the time of sunset, I looked for the best vista point from there. However, I couldn't find any better spot than the sunset view from the hotel bar where I stay. So, I took the best table facing the canal and the Bailica di S. Maria della Salute about 1 hour before the sunset and ordered a glass of Bellini.
While I was panting, a German father and his son came up to me. Actually, I have recognized the German boy who often tried to get a covert glance of my work, but he ran back when I looked at him.
"Excuse me, but can we get a closer look of your watercolor? My son says he is a great fan of your painting, but he is too shy to say so."
"Sure, my pleasure. I haven't finished this piece yet, but please!"
The boy finally came to right next to me and looked at my painting, and he said in English,
"Very nice!"
"Thank you very much!"
I could hear that the boy was practicing this short but beautiful English words with his father before they came up to me. So sweet!
And just before the sunset, I could finish this last piece and started having dinner, the last meal in my favorite city, there, too.
* * * * * * * *
On the following day, I took a vaporetto from the hotel to Tronchetto, where bus terminal & parking buildings are located. As the Dorsoduro restaurant owner gave me a ride from the Tronchetto to the Marco Polo Airport, it took only 15 minutes or 50 minutes in total. (And I could save more than 200 euro this time!! It would cost 5 euro by shuttle bus and about 50 euro by taxi to the airport.)
Grazie, Venice! Arrivederci, Venice!
Tornerò di nuovo qui!!
September 6, 2013
Venezia 2013: Giorno 5 (番外編)--恋に落ちた!?旅の絵描き~の巻
<前回までのお話>
11年ぶりに訪れたベニスの旅も後半にさしかかった4日目、MINAはサンマルコ広場界隈の喧噪を離れて、対岸のドルソドゥーロ地区へ。1日中夢中で絵を描き 続けて喉が渇き、ひと休みしようと夕方偶然立ち寄ったカフェ・レストランで、ハンサムな店員さんと出会い、ひと休みのはずが、結局そこで夕飯も食べることに。食後、お勘定をしようとすると、彼から「もうすぐ仕事が終わるから、その後で一緒に飲まないか」と誘われて・・・。
(比較的「真面目に」書いている5日目の旅ブログ=英語版=はこちら「Venezia 2013: Giorno 5」 )
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
そうです。ドキドキのVenetian Nightから一夜明けて、5日目の朝です。実は昨夜はあの後、ちょっとだけ続きがありました。(諸般の事情から、英語版の旅のブログ・本編と「恋ばな」は別稿にしました)
昨日は朝5時に日本からの電話で起こされて寝不足だった上に、一日中絵を描き続けていたので、さすがにヘトヘトで、夕食後はもう眠くて仕方なかったのです。せっかくの素敵なお誘いでしたが、イケメン店員のリッカルド(仮名)に御礼を言ってテーブルでお勘定を済ませると、彼はお店の外まで送ってくれました。
「本当にあともう少しで仕事が終わりますから、もうちょっとだけ待っていてもらえませんか?」
「残念なんだけど、今夜はもうヘトヘトに疲れているので・・・」
「では、明日また会えませんか?昼間のご予定は?」
「昼間は・・・カンナレッジオで絵を描きたいので・・・」
「ではそれが終わったら、夜こちらで会えますか?」
営業トークなのか、予想以上に食い下がるリッカルドに捕まってお店の外で立ち話をしていたら、観光客グループが私達の横を通り過ぎていきました。するとそのグループの人達が
「あ、この人知ってるわ!さっきカナル沿いで絵を描いてた人よ」
「うん、素敵な絵だったよね」
「もう描き終わったの?」
と口々に明るく声を掛けてきます。するとリッカルドも
「そうだよ!彼女は素敵な絵を描く、凄いアーティストなんだ」とフレンドリーに応えています。
そうでした。私は旅の絵描きなのでした。こんなこともあろうかと、バッグの中にはスケッチブックと画材の他に、あれも入れておいたんだった・・・!
「リッカルド。きょうは色々と良くして頂いたから、御礼にこれをさしあげましょう!」
私は、自分の水彩画を5枚組にした絵はがきセットを彼にプレゼントすることにしました。すると予想以上のリアクションで喜んでくれたので、それをきっかけに禅問答のようなやりとりはいったん引き取って、「じゃあ、また明日」みたいなゆるやかな約束をしてホテルに戻ったのですが・・・。
歩いて15分ほどのホテルに戻る頃には既に携帯にメールが届いていました。絵はがきセットの中に入れておいた名刺のメアドをみつけて、速攻メールをくれたようで す。ただ、発信元のアドレスがお店のものだったので、他の人に見られても大丈夫なように、細心の注意を払って(?)簡潔に、でも冷たくなりすぎないよう丁寧に言葉を選んで、今夜の御礼を書いて返信しました。すると、シャワーを浴びている間にも「おやすみなさい」の即レスがあり・・・でももうさすがに眠かっ たのでそれには応えずに寝ました。
そして目覚めると、 すでに「おはよう」メールが届いていました。そして今度は「ランチ営業もしているので、午後はずっと店にいます。その後も店は閉めずに待ちしてますから、お時間ある時に顔を出してください。僕の携帯番号は・・・」とかなり具体的に、しかも徐々に押しが強くなってきています。昨夜会った時には、物腰の柔らかい、静かな 感じの男性でしたが・・・。
でもまぁ、昨夜の時点で一応ゆるやかに約束していたので、「ま、いいか」と特に返信しないで放っておくことにして、前日に会った英国人女性が教えてくれた、旧ユダヤ人街のカンナレッジオ地区に向かいました。ここはベニスの中でも古い街並みが残っていて絵になるとのことでしたので、ベニス・S Lucia駅方向から路地に入り、素敵な風景を求めてロケハンをしました。
歩き回ってちょうどお腹が空いたころ、路地裏で地元のおじさまでいっぱいの「おやじ食堂」(お薦めは「本日の昼定食」)を発見。定食についている白ワインを飲みながら、サラダと烏賊墨のパスタを平らげた後、「本日の焼き魚」にレモンをたっぷり絞って、さぁ食べ始めましょう、と思った時に携帯が鳴り出しました。こんな時に誰?と思って出ると、果たして「あ、良かった!つながった!きょう、会えますよね?」 と・・・リッカルドからなのでした。
そうか・・・名刺には携帯番号も印刷してあったっけ。でも、私の番号は国際電話になるわけで、わざわざ国番号を調べてかけてきたようです。おそるべし、リッカルド。あ、でも、そうでした!ここはベネチア。北イタリアの中でも、比較的あっさり引き下がるミラノやジェノバの男性にくらべて「粘り強いナンパが持ち味」 (MINA総研調査)の土地柄だった事を思い出しました。
でもまだしばらくは、彼のお店があるドルソドゥーロ地区とは正反対にある、カンナレッジオ地区に留まって絵を描いていたかったので、今夜またお店にご飯を食べに行くことを「改めて」約束。11時過ぎには仕事が終わると言うので、それに合わせて前日のように早い時間の夕食ではなく、9時過ぎに行く事を伝えると、ようやく納得して電話を切ってくれました。
と、ここまで約束しておいて行かないのは「なでしこジャパン代表」として名が廃ります。少し迷いましたが、まぁ今夜ぐらいはちょっとだけ「ベニスの魔法」にかかったふりもいいかな、などと思い、気合いを入れて夕方までにカンナレッジオの風景画を2枚仕上げました。いったんホテルに戻り、汗でクタクタになった服を着替えて、(昨日は汗でクタクタのままお店に行ってしまいましたが・・・)グランカナルにかかる橋を渡ってお店に向かいました。
店の前に立って待っていたリッカルドは、昨夜にも増して満面の笑みで迎えてくれました。昨夜と同じ店内の「特等席」に案内されて、ベネチア風・3種の魚のマリネと、パルミジャーノチーズとクレマ・バルサミコが添えられた牛のステーキを頂きました。ワインは「お店から」とのことでサービスしてもらい、ゆっくり食事を済ませた後に一緒にお店を出て、ドルソドゥーロ地区の先端にあるPunta della Doganaまで色々な話をしながら、グランドカナル沿いの道をお散歩しました。
「昨日の夜、メールを返信してくれた時、本当に飛び上がるぐらい嬉しかったよ」とリッカルド。落ち着いた雰囲気だった昨夜とは違って、ちょっとテンション高めです。
「でも、私に会いたいとか、僕の携帯番号は何番ですとか、あんなに色々なことをお店のアカウントからメールしてきたけど、他の人に読まれたりしないの?」
「大丈夫。あのメール・アカウントを使っているのは僕だけだから。だってあそこは僕の店だからね」
イタリア料理店のオーナーと言えば、恰幅の良い年配の男性・・・などと勝手なイメージを持っていた私は、背が高くスラリとしてハンサムなリッカルドのことを店員さんなのだと勝手に思い込んでいたのですが、実はあのレストランのオーナーさんだったのでした。 若くしてオーナーになるにはもちろん苦労もあって、色々なことを犠牲にしながら人の何倍か働いて、ようやく昨年2月に店を手に入れて、苦労しながらも今年の春頃からは商売も軌道に乗ってくれて・・・と熱く自分の事や夢を語ってくれました。
カナルに浮かぶ街灯りのリフレクションを眺めながら、リッカルドの優しい話し声に包まれて、ロマンチックなベニスの夜は更けていくのでした・・・。(続く)
<第1話>ベニス4日目: 「恋の予感」(英語編の後ろに日本語があります)
<第3話>ベニス6日目: 「もう一度、会いたい」
<第4話>ベニス6-7日目: 「恋の魔法よ、とけないで!」(最終回)
11年ぶりに訪れたベニスの旅も後半にさしかかった4日目、MINAはサンマルコ広場界隈の喧噪を離れて、対岸のドルソドゥーロ地区へ。1日中夢中で絵を描き 続けて喉が渇き、ひと休みしようと夕方偶然立ち寄ったカフェ・レストランで、ハンサムな店員さんと出会い、ひと休みのはずが、結局そこで夕飯も食べることに。食後、お勘定をしようとすると、彼から「もうすぐ仕事が終わるから、その後で一緒に飲まないか」と誘われて・・・。
(比較的「真面目に」書いている5日目の旅ブログ=英語版=はこちら「Venezia 2013: Giorno 5」 )
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
そうです。ドキドキのVenetian Nightから一夜明けて、5日目の朝です。実は昨夜はあの後、ちょっとだけ続きがありました。(諸般の事情から、英語版の旅のブログ・本編と「恋ばな」は別稿にしました)
昨日は朝5時に日本からの電話で起こされて寝不足だった上に、一日中絵を描き続けていたので、さすがにヘトヘトで、夕食後はもう眠くて仕方なかったのです。せっかくの素敵なお誘いでしたが、イケメン店員のリッカルド(仮名)に御礼を言ってテーブルでお勘定を済ませると、彼はお店の外まで送ってくれました。
「本当にあともう少しで仕事が終わりますから、もうちょっとだけ待っていてもらえませんか?」
「残念なんだけど、今夜はもうヘトヘトに疲れているので・・・」
「では、明日また会えませんか?昼間のご予定は?」
「昼間は・・・カンナレッジオで絵を描きたいので・・・」
「ではそれが終わったら、夜こちらで会えますか?」
営業トークなのか、予想以上に食い下がるリッカルドに捕まってお店の外で立ち話をしていたら、観光客グループが私達の横を通り過ぎていきました。するとそのグループの人達が
「あ、この人知ってるわ!さっきカナル沿いで絵を描いてた人よ」
「うん、素敵な絵だったよね」
「もう描き終わったの?」
と口々に明るく声を掛けてきます。するとリッカルドも
「そうだよ!彼女は素敵な絵を描く、凄いアーティストなんだ」とフレンドリーに応えています。
そうでした。私は旅の絵描きなのでした。こんなこともあろうかと、バッグの中にはスケッチブックと画材の他に、あれも入れておいたんだった・・・!
「リッカルド。きょうは色々と良くして頂いたから、御礼にこれをさしあげましょう!」
私は、自分の水彩画を5枚組にした絵はがきセットを彼にプレゼントすることにしました。すると予想以上のリアクションで喜んでくれたので、それをきっかけに禅問答のようなやりとりはいったん引き取って、「じゃあ、また明日」みたいなゆるやかな約束をしてホテルに戻ったのですが・・・。
歩いて15分ほどのホテルに戻る頃には既に携帯にメールが届いていました。絵はがきセットの中に入れておいた名刺のメアドをみつけて、速攻メールをくれたようで す。ただ、発信元のアドレスがお店のものだったので、他の人に見られても大丈夫なように、細心の注意を払って(?)簡潔に、でも冷たくなりすぎないよう丁寧に言葉を選んで、今夜の御礼を書いて返信しました。すると、シャワーを浴びている間にも「おやすみなさい」の即レスがあり・・・でももうさすがに眠かっ たのでそれには応えずに寝ました。
そして目覚めると、 すでに「おはよう」メールが届いていました。そして今度は「ランチ営業もしているので、午後はずっと店にいます。その後も店は閉めずに待ちしてますから、お時間ある時に顔を出してください。僕の携帯番号は・・・」とかなり具体的に、しかも徐々に押しが強くなってきています。昨夜会った時には、物腰の柔らかい、静かな 感じの男性でしたが・・・。
でもまぁ、昨夜の時点で一応ゆるやかに約束していたので、「ま、いいか」と特に返信しないで放っておくことにして、前日に会った英国人女性が教えてくれた、旧ユダヤ人街のカンナレッジオ地区に向かいました。ここはベニスの中でも古い街並みが残っていて絵になるとのことでしたので、ベニス・S Lucia駅方向から路地に入り、素敵な風景を求めてロケハンをしました。
歩き回ってちょうどお腹が空いたころ、路地裏で地元のおじさまでいっぱいの「おやじ食堂」(お薦めは「本日の昼定食」)を発見。定食についている白ワインを飲みながら、サラダと烏賊墨のパスタを平らげた後、「本日の焼き魚」にレモンをたっぷり絞って、さぁ食べ始めましょう、と思った時に携帯が鳴り出しました。こんな時に誰?と思って出ると、果たして「あ、良かった!つながった!きょう、会えますよね?」 と・・・リッカルドからなのでした。
そうか・・・名刺には携帯番号も印刷してあったっけ。でも、私の番号は国際電話になるわけで、わざわざ国番号を調べてかけてきたようです。おそるべし、リッカルド。あ、でも、そうでした!ここはベネチア。北イタリアの中でも、比較的あっさり引き下がるミラノやジェノバの男性にくらべて「粘り強いナンパが持ち味」 (MINA総研調査)の土地柄だった事を思い出しました。
でもまだしばらくは、彼のお店があるドルソドゥーロ地区とは正反対にある、カンナレッジオ地区に留まって絵を描いていたかったので、今夜またお店にご飯を食べに行くことを「改めて」約束。11時過ぎには仕事が終わると言うので、それに合わせて前日のように早い時間の夕食ではなく、9時過ぎに行く事を伝えると、ようやく納得して電話を切ってくれました。
と、ここまで約束しておいて行かないのは「なでしこジャパン代表」として名が廃ります。少し迷いましたが、まぁ今夜ぐらいはちょっとだけ「ベニスの魔法」にかかったふりもいいかな、などと思い、気合いを入れて夕方までにカンナレッジオの風景画を2枚仕上げました。いったんホテルに戻り、汗でクタクタになった服を着替えて、(昨日は汗でクタクタのままお店に行ってしまいましたが・・・)グランカナルにかかる橋を渡ってお店に向かいました。
店の前に立って待っていたリッカルドは、昨夜にも増して満面の笑みで迎えてくれました。昨夜と同じ店内の「特等席」に案内されて、ベネチア風・3種の魚のマリネと、パルミジャーノチーズとクレマ・バルサミコが添えられた牛のステーキを頂きました。ワインは「お店から」とのことでサービスしてもらい、ゆっくり食事を済ませた後に一緒にお店を出て、ドルソドゥーロ地区の先端にあるPunta della Doganaまで色々な話をしながら、グランドカナル沿いの道をお散歩しました。
「昨日の夜、メールを返信してくれた時、本当に飛び上がるぐらい嬉しかったよ」とリッカルド。落ち着いた雰囲気だった昨夜とは違って、ちょっとテンション高めです。
「でも、私に会いたいとか、僕の携帯番号は何番ですとか、あんなに色々なことをお店のアカウントからメールしてきたけど、他の人に読まれたりしないの?」
「大丈夫。あのメール・アカウントを使っているのは僕だけだから。だってあそこは僕の店だからね」
イタリア料理店のオーナーと言えば、恰幅の良い年配の男性・・・などと勝手なイメージを持っていた私は、背が高くスラリとしてハンサムなリッカルドのことを店員さんなのだと勝手に思い込んでいたのですが、実はあのレストランのオーナーさんだったのでした。 若くしてオーナーになるにはもちろん苦労もあって、色々なことを犠牲にしながら人の何倍か働いて、ようやく昨年2月に店を手に入れて、苦労しながらも今年の春頃からは商売も軌道に乗ってくれて・・・と熱く自分の事や夢を語ってくれました。
カナルに浮かぶ街灯りのリフレクションを眺めながら、リッカルドの優しい話し声に包まれて、ロマンチックなベニスの夜は更けていくのでした・・・。(続く)
<第1話>ベニス4日目: 「恋の予感」(英語編の後ろに日本語があります)
<第3話>ベニス6日目: 「もう一度、会いたい」
<第4話>ベニス6-7日目: 「恋の魔法よ、とけないで!」(最終回)
Venezia 2013: Giorno 5 -- Painting in Cannaregio & Romantic Night in Dorsoduro
On the 5th day in Venice, I went to the Cannaregio area, an old Jewish town in Venice near the train station, by taking advice from the English lady I met at the Punta della Dogana. As she told me, there are old, but beautiful Venetian houses and bridges there.
I began my day by taking vaporetto to Piazza Roma, where there is bus terminal to the airport and other cities. Though I spent several hundreds euro when I came in the city (as it was midnight...I spent that much just for security reasons...) by hotel taxi accompanied by a concierge person, I wanted to take public transportation on the way back to the airport. It will be less expensive, besides it is more time saving by taking land transport, rather than taking boat taxi all the way.
So, I timed my trip to the airport from the hotel and found out that it takes about 35-40 min. from S. Marco fermata to Piazza Roma (but free, as I have 7-day pass). Taxi drivers there told me that it will take about 20 min. from the bus terminal to the airport and the fare will be 40 euro. Well, not bad, though it will cost only 5 euro if I take shuttle bus from there... OK, either way works, I guess... The only problem will be carrying my luggage from the hotel to the S. Marco fermata -- about 5 min. walk. but I have to cross 3 bridges...
Then I walked toward the Cannaregio, passing by the S. Lucia train station. In the Cannaregio area, I found many local grocery stores (not really for tourists) and bought mixed seasoning to make Venetian dishes. As I took 6 packages for my friends, the store owner gave me 1 euro discount for each. How nice!
I also found a nice restaurant in the old Jewish quarter. I was the only tourist there as the rest of the customers were local people from shops or studios nearby. They simply ordered the restaurant's "Today's Lunch" by choosing pasta out of 3 kinds and main dish (meat or fish). So, I just followed their manner -- Spaghetti Sepia (Squid ink sauce spaghetti) and Fish of the day; grilled Monk fish -- both of them are very Venetian. The lunch set menu included a glass of wine and a mixed salad and it cost only 18 euro... Wow!! It was very delicious lunch but the cheapest meal I had in the city. Now I really love the Cannaregio very much.
I painted 2 watercolors in the area, one with a small beautiful bridge with gondolas and the other is the church with very decorative facade.To depict the details of the decoration, I used less colors for this piece.
As it was really hot day due to the heat from Africa (temperature went up around 35c, which is very unusual for Venice), I decided to go back to the hotel before sunset.
On the way back to hotel, I stopped by a very attractive mask shop near the Ponte Realto. The shop lady told me that we can dress up (costume and mask) for 400-500 euro, saying, "You should come back at the time of Mask Festival!" Surely. I wish I could do so really...
For dinner, I went to the same Dorsoduro restaurant I enjoyed on the previous day.The owner and waiters greeted me warm smiles and delicious dishes.
Cantinone Storico
I had 3-kinds marinated fish in Venetian way and beef stake with Parmesan cheese and crema balsamico sause. The fish tasted exactly like Japanese "Mamakari" -- lightly salted & vinegar tasted fish from Okayama Prefecture.
I began my day by taking vaporetto to Piazza Roma, where there is bus terminal to the airport and other cities. Though I spent several hundreds euro when I came in the city (as it was midnight...I spent that much just for security reasons...) by hotel taxi accompanied by a concierge person, I wanted to take public transportation on the way back to the airport. It will be less expensive, besides it is more time saving by taking land transport, rather than taking boat taxi all the way.
So, I timed my trip to the airport from the hotel and found out that it takes about 35-40 min. from S. Marco fermata to Piazza Roma (but free, as I have 7-day pass). Taxi drivers there told me that it will take about 20 min. from the bus terminal to the airport and the fare will be 40 euro. Well, not bad, though it will cost only 5 euro if I take shuttle bus from there... OK, either way works, I guess... The only problem will be carrying my luggage from the hotel to the S. Marco fermata -- about 5 min. walk. but I have to cross 3 bridges...
Then I walked toward the Cannaregio, passing by the S. Lucia train station. In the Cannaregio area, I found many local grocery stores (not really for tourists) and bought mixed seasoning to make Venetian dishes. As I took 6 packages for my friends, the store owner gave me 1 euro discount for each. How nice!
I also found a nice restaurant in the old Jewish quarter. I was the only tourist there as the rest of the customers were local people from shops or studios nearby. They simply ordered the restaurant's "Today's Lunch" by choosing pasta out of 3 kinds and main dish (meat or fish). So, I just followed their manner -- Spaghetti Sepia (Squid ink sauce spaghetti) and Fish of the day; grilled Monk fish -- both of them are very Venetian. The lunch set menu included a glass of wine and a mixed salad and it cost only 18 euro... Wow!! It was very delicious lunch but the cheapest meal I had in the city. Now I really love the Cannaregio very much.
I painted 2 watercolors in the area, one with a small beautiful bridge with gondolas and the other is the church with very decorative facade.To depict the details of the decoration, I used less colors for this piece.
As it was really hot day due to the heat from Africa (temperature went up around 35c, which is very unusual for Venice), I decided to go back to the hotel before sunset.
On the way back to hotel, I stopped by a very attractive mask shop near the Ponte Realto. The shop lady told me that we can dress up (costume and mask) for 400-500 euro, saying, "You should come back at the time of Mask Festival!" Surely. I wish I could do so really...
For dinner, I went to the same Dorsoduro restaurant I enjoyed on the previous day.The owner and waiters greeted me warm smiles and delicious dishes.
Cantinone Storico
I had 3-kinds marinated fish in Venetian way and beef stake with Parmesan cheese and crema balsamico sause. The fish tasted exactly like Japanese "Mamakari" -- lightly salted & vinegar tasted fish from Okayama Prefecture.
September 1, 2013
Venezia 2013: Giorno 4 -- Painting & Meeting People in Dorsoduro
It is Monday, and the halfway of my adventure here in Venice. So, I decided to be ACTIVE today, besides, I did only 2 watercolors on the previous day. I have many things to see and paint here!!
早くも4日目の朝。ベニスの旅も折り返し、中日です。昨日はリアルト橋とカーサ・ドーロの2枚しか仕上げられなかったので、ネジを巻いて朝から活発に動き回ることにしました。本丸であるサンマルコ寺院やその周辺の景色も抑えておきたいものです。(日本語編は英語の後に続きます)
I took a light meal in my room and started my day from the Piazza San Marco, the center of the city. As I did not have time to see inside of the Ducale and the Basilica, I have to see them!!
First of all, I went to the Piazza San Marco to wait for the opening of the Ducale, palace museum. Usually, there are many people waiting for buying tickets to get in. So, I decided to be there a bit before the gate opening. By the time when I got to the entrance, there were only 6-7 people waiting in the line.
Fortunately, shortly after the ticket office opened, I was able to get in. Though I did not get any options, such as guided tour tickets, I could overhear the explanation by tour guides, both in English and Japanese, from anywhere in the museum. They take group tourists from Japan, the U.S., UK and etc. I could even enjoy crossing the famous bridge, Ponte dei Sospiri, in the palace museum along with very kind guidance from them!
It took approximately 1 hour to see around the museum and then I went back to the galleria where we can look up the campanile. Of course, I painted the tremendous view from there!
And when I finished painting the beautiful campanile over the arches, about 1 hour later, I decided to go to the other side of the gland canal, shortly after visiting the annex of the Ducale Museum. I really wanted to paint the campanile and the Ducale/S. Marco from the Dorsoduro side.
Though we had occasional rains, I could kept painting as I could find a spot on the very edge of the Dorsoduro, right across the Piazza S. Marco, over the canal. So, in the relatively quite area with beautiful small bridges, I painted 3 watercolors on the day before sunset. What a productive day I!!
サンマルコで鐘楼をスケッチした後、カナルを挟んで反対側のドルソドゥーロというエリアに向かいました。こちらはサンマルコ広場界隈に比べて観光客が少なく、比較的落ちついたエリアなのですが、雰囲気のあるホテルやレストランも沢山あります。
Punta della Doganaから、対岸のサンマルコ寺院(の屋根)と鐘楼のスケッチをしていると、にわか雨が降って来ました。屋根の下に入って、絵が濡れないように気をつけながら描いていると、折りたたみ椅子持参&レインコートで完全武装した女性も絵を描いていました。英国人だというその女性は私の絵を見ると「あなた、Cannaregio地区には行った?きっと気に入るわよ」とアドバイスしてくれたので、明日のスケッチポイントはそちらに向かうことにしました。
雨が上がったので、そのままDorsoduro地区を歩き回り、素敵なホテルの入口とその横にある可愛らしい橋もスケッチしました。頑張って立て続けに絵を描いていたので、さすがに喉が渇いたのと、お手洗いに行きたかったのでグッケンハイム美術館を目指しましたが、ちょうどカフェが終了の時間で中に入れず・・・。仕方なくそのまま歩き続けると、カナル沿いにテーブルを出しているカフェ・レストランを発見。テーブル席で煙草をくゆらす友人相手におしゃべりしていた男性が私を見ると急に立ち上がり「どうぞ。おすわりください」と椅子を引いてくれました。お客様だと思っていたらお店の人だったのでした。
背が高くてハンサムな店員さんは、物腰が柔らかくとてもきれいな英語を話す感じの良い人でした。せっかくなので、イタリアン・ビールのモレッティを注文。テーブルから眺める景色も素敵なので、こちらで一休みすることにしました。
ビールを飲んで、まったりしていると、「こちらで夕飯も召し上がって行きませんか?」とさきほどの店員さん。時間は夕方6時近くで、まだ陽があったので「まだ夕飯には早いので、夕日が落ちるまでにもう一枚絵を仕上げたら、戻ってきますね」と約束していったんお店を出ました。
再びペギー・グッケンハイム美術館の方に戻って、赤い建物の横にかかる橋の絵を描いていると、近所の子供たちに取り囲まれました。皆、口ぐちに感心したり、知っている英単語を並べてほめてくれました。夕飯だからと子供たちが帰った後、仕上げの色付けをしていると、エプロンをした女性が小走りにやって来ました。
「娘たちが帰ってきて『すごく上手な絵を描いている人がいるから、お母さんも絶対観に行った方がいいよ』と言われたんで、来ました」とのこと。 きっとあのテンションのまま、お母さんに口ぐちに報告してくれたのでしょう。かわいい私のファンの子供たち・・・ありがたいです。
絵を仕上げてさきほどのお店に戻ると、さっきのハンサムな店員さんが満面の笑顔で迎えてくれました。外のテーブル席が混み合っていたのと、また雨が降りそうだったので、今度は店内のテーブルに案内してもらい、お店の自慢料理(タコのサラダとヴェネチア風レバーソテー)をピノ・グリージョで頂きました。
お腹もいっぱいになり、丁度良い加減にほろ酔いになったのでお勘定を頼むと、色々と親切に世話を焼いてくださったあの店員さんが
「え、もう帰っちゃうんですか?僕、あと1時間ぐらいで仕事が終わるんで、良かったらこのあたりを案内しますよ。もう少し一緒に飲みませんか?」とのこと。
さすがイタリア!!
イケメン店員さんのとてもロマンチックなお誘いに、珍しく心が揺れるMINAなのでした・・・。(続く)
<第2話>ベニス5日目: 「ロマンチックな夜」
<第3話>ベニス6日目: 「もう一度会いたい」
<第4話>ベニス6-7日目: 「恋の魔法よ、とけないで!」(最終回)
早くも4日目の朝。ベニスの旅も折り返し、中日です。昨日はリアルト橋とカーサ・ドーロの2枚しか仕上げられなかったので、ネジを巻いて朝から活発に動き回ることにしました。本丸であるサンマルコ寺院やその周辺の景色も抑えておきたいものです。(日本語編は英語の後に続きます)
I took a light meal in my room and started my day from the Piazza San Marco, the center of the city. As I did not have time to see inside of the Ducale and the Basilica, I have to see them!!
First of all, I went to the Piazza San Marco to wait for the opening of the Ducale, palace museum. Usually, there are many people waiting for buying tickets to get in. So, I decided to be there a bit before the gate opening. By the time when I got to the entrance, there were only 6-7 people waiting in the line.
Fortunately, shortly after the ticket office opened, I was able to get in. Though I did not get any options, such as guided tour tickets, I could overhear the explanation by tour guides, both in English and Japanese, from anywhere in the museum. They take group tourists from Japan, the U.S., UK and etc. I could even enjoy crossing the famous bridge, Ponte dei Sospiri, in the palace museum along with very kind guidance from them!
It took approximately 1 hour to see around the museum and then I went back to the galleria where we can look up the campanile. Of course, I painted the tremendous view from there!
And when I finished painting the beautiful campanile over the arches, about 1 hour later, I decided to go to the other side of the gland canal, shortly after visiting the annex of the Ducale Museum. I really wanted to paint the campanile and the Ducale/S. Marco from the Dorsoduro side.
Though we had occasional rains, I could kept painting as I could find a spot on the very edge of the Dorsoduro, right across the Piazza S. Marco, over the canal. So, in the relatively quite area with beautiful small bridges, I painted 3 watercolors on the day before sunset. What a productive day I!!
サンマルコで鐘楼をスケッチした後、カナルを挟んで反対側のドルソドゥーロというエリアに向かいました。こちらはサンマルコ広場界隈に比べて観光客が少なく、比較的落ちついたエリアなのですが、雰囲気のあるホテルやレストランも沢山あります。
Punta della Doganaから、対岸のサンマルコ寺院(の屋根)と鐘楼のスケッチをしていると、にわか雨が降って来ました。屋根の下に入って、絵が濡れないように気をつけながら描いていると、折りたたみ椅子持参&レインコートで完全武装した女性も絵を描いていました。英国人だというその女性は私の絵を見ると「あなた、Cannaregio地区には行った?きっと気に入るわよ」とアドバイスしてくれたので、明日のスケッチポイントはそちらに向かうことにしました。
雨が上がったので、そのままDorsoduro地区を歩き回り、素敵なホテルの入口とその横にある可愛らしい橋もスケッチしました。頑張って立て続けに絵を描いていたので、さすがに喉が渇いたのと、お手洗いに行きたかったのでグッケンハイム美術館を目指しましたが、ちょうどカフェが終了の時間で中に入れず・・・。仕方なくそのまま歩き続けると、カナル沿いにテーブルを出しているカフェ・レストランを発見。テーブル席で煙草をくゆらす友人相手におしゃべりしていた男性が私を見ると急に立ち上がり「どうぞ。おすわりください」と椅子を引いてくれました。お客様だと思っていたらお店の人だったのでした。
背が高くてハンサムな店員さんは、物腰が柔らかくとてもきれいな英語を話す感じの良い人でした。せっかくなので、イタリアン・ビールのモレッティを注文。テーブルから眺める景色も素敵なので、こちらで一休みすることにしました。
ビールを飲んで、まったりしていると、「こちらで夕飯も召し上がって行きませんか?」とさきほどの店員さん。時間は夕方6時近くで、まだ陽があったので「まだ夕飯には早いので、夕日が落ちるまでにもう一枚絵を仕上げたら、戻ってきますね」と約束していったんお店を出ました。
再びペギー・グッケンハイム美術館の方に戻って、赤い建物の横にかかる橋の絵を描いていると、近所の子供たちに取り囲まれました。皆、口ぐちに感心したり、知っている英単語を並べてほめてくれました。夕飯だからと子供たちが帰った後、仕上げの色付けをしていると、エプロンをした女性が小走りにやって来ました。
「娘たちが帰ってきて『すごく上手な絵を描いている人がいるから、お母さんも絶対観に行った方がいいよ』と言われたんで、来ました」とのこと。 きっとあのテンションのまま、お母さんに口ぐちに報告してくれたのでしょう。かわいい私のファンの子供たち・・・ありがたいです。
絵を仕上げてさきほどのお店に戻ると、さっきのハンサムな店員さんが満面の笑顔で迎えてくれました。外のテーブル席が混み合っていたのと、また雨が降りそうだったので、今度は店内のテーブルに案内してもらい、お店の自慢料理(タコのサラダとヴェネチア風レバーソテー)をピノ・グリージョで頂きました。
お腹もいっぱいになり、丁度良い加減にほろ酔いになったのでお勘定を頼むと、色々と親切に世話を焼いてくださったあの店員さんが
「え、もう帰っちゃうんですか?僕、あと1時間ぐらいで仕事が終わるんで、良かったらこのあたりを案内しますよ。もう少し一緒に飲みませんか?」とのこと。
さすがイタリア!!
イケメン店員さんのとてもロマンチックなお誘いに、珍しく心が揺れるMINAなのでした・・・。(続く)
<第2話>ベニス5日目: 「ロマンチックな夜」
<第3話>ベニス6日目: 「もう一度会いたい」
<第4話>ベニス6-7日目: 「恋の魔法よ、とけないで!」(最終回)
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