丸の内カフェで"PORTUGAL~ARTE E POESIA”開催中!

2011年1月26日(水)に、丸の内カフェ(千代田区丸の内3-3-1 新東京ビルジング1F)で旅と英会話スキルのセミナー”「私だけの旅」をつくる簡単英会話”の講師を勤めさせていただきました♪受講者の皆さんが、ノリノリで発音練習を一緒にやってくださったので、嬉しかったです。
http://www.marunouchicafe.com/seminar/index.html#20110126

2010年6月1日(火)~14日(月)に丸の内カフェにて、ポルトガルで描いてきた水彩画風景を展示。おかげさまで沢山の方にご来場・ご鑑賞頂きました。ありがとうございます♪

(日本ポルトガル通商修好条約締結150周年記念イベントです↓)

http://www.marunouchicafe.com/gallery/index.html#20106130

September 6, 2013

Venezia 2013: Giorno 5 (番外編)--恋に落ちた!?旅の絵描き~の巻

<前回までのお話>
11年ぶりに訪れたベニスの旅も後半にさしかかった4日目、MINAはサンマルコ広場界隈の喧噪を離れて、対岸のドルソドゥーロ地区へ。1日中夢中で絵を描き 続けて喉が渇き、ひと休みしようと夕方偶然立ち寄ったカフェ・レストランで、ハンサムな店員さんと出会い、ひと休みのはずが、結局そこで夕飯も食べることに。食後、お勘定をしようとすると、彼から「もうすぐ仕事が終わるから、その後で一緒に飲まないか」と誘われて・・・。
 (比較的「真面目に」書いている5日目の旅ブログ=英語版=はこちら「Venezia 2013: Giorno 5」 )

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うです。ドキドキのVenetian Nightから一夜明けて、5日目の朝です。実は昨夜はあの後、ちょっとだけ続きがありました。(諸般の事情から、英語版の旅のブログ・本編と「恋ばな」は別稿にしました)

昨日は朝5時に日本からの電話で起こされて寝不足だった上に、一日中絵を描き続けていたので、さすがにヘトヘトで、夕食後はもう眠くて仕方なかったのです。せっかくの素敵なお誘いでしたが、イケメン店員のリッカルド(仮名)に御礼を言ってテーブルでお勘定を済ませると、彼はお店の外まで送ってくれました。

「本当にあともう少しで仕事が終わりますから、もうちょっとだけ待っていてもらえませんか?」
「残念なんだけど、今夜はもうヘトヘトに疲れているので・・・」
「では、明日また会えませんか?昼間のご予定は?」
「昼間は・・・カンナレッジオで絵を描きたいので・・・」
「ではそれが終わったら、夜こちらで会えますか?」 

営業トークなのか、予想以上に食い下がるリッカルドに捕まってお店の外で立ち話をしていたら、観光客グループが私達の横を通り過ぎていきました。するとそのグループの人達が

「あ、この人知ってるわ!さっきカナル沿いで絵を描いてた人よ」
「うん、素敵な絵だったよね」
「もう描き終わったの?」

と口々に明るく声を掛けてきます。するとリッカルドも

「そうだよ!彼女は素敵な絵を描く、凄いアーティストなんだ」とフレンドリーに応えています。

そうでした。私は旅の絵描きなのでした。こんなこともあろうかと、バッグの中にはスケッチブックと画材の他に、あれも入れておいたんだった・・・!

「リッカルド。きょうは色々と良くして頂いたから、御礼にこれをさしあげましょう!」 

私は、自分の水彩画を5枚組にした絵はがきセットを彼にプレゼントすることにしました。すると予想以上のリアクションで喜んでくれたので、それをきっかけに禅問答のようなやりとりはいったん引き取って、「じゃあ、また明日」みたいなゆるやかな約束をしてホテルに戻ったのですが・・・。
歩いて15分ほどのホテルに戻る頃には既に携帯にメールが届いていました。絵はがきセットの中に入れておいた名刺のメアドをみつけて、速攻メールをくれたようで す。ただ、発信元のアドレスがお店のものだったので、他の人に見られても大丈夫なように、細心の注意を払って(?)簡潔に、でも冷たくなりすぎないよう丁寧に言葉を選んで、今夜の御礼を書いて返信しました。すると、シャワーを浴びている間にも「おやすみなさい」の即レスがあり・・・でももうさすがに眠かっ たのでそれには応えずに寝ました。

そして目覚めると、 すでに「おはよう」メールが届いていました。そして今度は「ランチ営業もしているので、午後はずっと店にいます。その後も店は閉めずに待ちしてますから、お時間ある時に顔を出してください。僕の携帯番号は・・・」とかなり具体的に、しかも徐々に押しが強くなってきています。昨夜会った時には、物腰の柔らかい、静かな 感じの男性でしたが・・・。

でもまぁ、昨夜の時点で一応ゆるやかに約束していたので、「ま、いいか」と特に返信しないで放っておくことにして、前日に会った英国人女性が教えてくれた、旧ユダヤ人街のカンナレッジオ地区に向かいました。ここはベニスの中でも古い街並みが残っていて絵になるとのことでしたので、ベニス・S Lucia駅方向から路地に入り、素敵な風景を求めてロケハンをしました。

歩き回ってちょうどお腹が空いたころ、路地裏で地元のおじさまでいっぱいの「おやじ食堂」(お薦めは「本日の昼定食」)を発見。定食についている白ワインを飲みながら、サラダと烏賊墨のパスタを平らげた後、「本日の焼き魚」にレモンをたっぷり絞って、さぁ食べ始めましょう、と思った時に携帯が鳴り出しました。こんな時に誰?と思って出ると、果たして「あ、良かった!つながった!きょう、会えますよね?」 と・・・リッカルドからなのでした。

そうか・・・名刺には携帯番号も印刷してあったっけ。でも、私の番号は国際電話になるわけで、わざわざ国番号を調べてかけてきたようです。おそるべし、リッカルド。あ、でも、そうでした!ここはベネチア。北イタリアの中でも、比較的あっさり引き下がるミラノやジェノバの男性にくらべて「粘り強いナンパが持ち味」 (MINA総研調査)の土地柄だった事を思い出しました。

でもまだしばらくは、彼のお店があるドルソドゥーロ地区とは正反対にある、カンナレッジオ地区に留まって絵を描いていたかったので、今夜またお店にご飯を食べに行くことを「改めて」約束。11時過ぎには仕事が終わると言うので、それに合わせて前日のように早い時間の夕食ではなく、9時過ぎに行く事を伝えると、ようやく納得して電話を切ってくれました。

と、ここまで約束しておいて行かないのは「なでしこジャパン代表」として名が廃ります。少し迷いましたが、まぁ今夜ぐらいはちょっとだけ「ベニスの魔法」にかかったふりもいいかな、などと思い、気合いを入れて夕方までにカンナレッジオの風景画を2枚仕上げました。いったんホテルに戻り、汗でクタクタになった服を着替えて、(昨日は汗でクタクタのままお店に行ってしまいましたが・・・)グランカナルにかかる橋を渡ってお店に向かいました。

店の前に立って待っていたリッカルドは、昨夜にも増して満面の笑みで迎えてくれました。昨夜と同じ店内の「特等席」に案内されて、ベネチア風・3種の魚のマリネと、パルミジャーノチーズとクレマ・バルサミコが添えられた牛のステーキを頂きました。ワインは「お店から」とのことでサービスしてもらい、ゆっくり食事を済ませた後に一緒にお店を出て、ドルソドゥーロ地区の先端にあるPunta della Doganaまで色々な話をしながら、グランドカナル沿いの道をお散歩しました。


「昨日の夜、メールを返信してくれた時、本当に飛び上がるぐらい嬉しかったよ」とリッカルド。落ち着いた雰囲気だった昨夜とは違って、ちょっとテンション高めです。

「でも、私に会いたいとか、僕の携帯番号は何番ですとか、あんなに色々なことをお店のアカウントからメールしてきたけど、他の人に読まれたりしないの?」
「大丈夫。あのメール・アカウントを使っているのは僕だけだから。だってあそこは僕の店だからね」

イタリア料理店のオーナーと言えば、恰幅の良い年配の男性・・・などと勝手なイメージを持っていた私は、背が高くスラリとしてハンサムなリッカルドのことを店員さんなのだと勝手に思い込んでいたのですが、実はあのレストランのオーナーさんだったのでした。 若くしてオーナーになるにはもちろん苦労もあって、色々なことを犠牲にしながら人の何倍か働いて、ようやく昨年2月に店を手に入れて、苦労しながらも今年の春頃からは商売も軌道に乗ってくれて・・・と熱く自分の事や夢を語ってくれました。
カナルに浮かぶ街灯りのリフレクションを眺めながら、リッカルドの優しい話し声に包まれて、ロマンチックなベニスの夜は更けていくのでした・・・。(続く)



<第1話>ベニス4日目: 「恋の予感」(英語編の後ろに日本語があります)

<第3話>ベニス6日目: 「もう一度、会いたい」


<第4話>ベニス6-7日目: 「恋の魔法よ、とけないで!」(最終回)

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